
虫歯治療
虫歯の原因
歯の表面には、プラーク(歯垢)という粘着性の白い物質が付着します。その中には1億以上の細菌がおり、飲食物の中の糖分を摂取、分解して酸を生成します。これにより、脱灰(歯の表面の『エナメル質』が溶け出す現象)が起き、『虫歯』の状態になってしまうのです。
しかし、唾液には酸性を中性に戻す働きがあります。また、再石灰化(表面を再び修復する作用)により、歯を元の状態に戻すことができます。つまり、初期虫歯の段階であれば、歯科医院で治療を受けなくても、再石灰化による自然治癒が可能なのです。
脱灰と再石灰化は繰り返し行なわれますが、糖分の摂取が頻繁だと再石灰化が間に合わず、自然治癒することができず、歯科医院で治療を受ける必要があります。
虫歯の段階・治療方法
虫歯の段階を表す場合、『C』というアルファベットを使用します。
これは英語で虫歯を意味する『Caries』(カリエス)の頭文字から取ったもので、進行度によって『CO』~『C4』の5段階で表すことができます。

脱灰によってエナメル質が溶けているが、外見ではほとんどわからない
再石灰化によって自然治癒する

エナメル質内に細菌が進入しているが、痛まないので自覚症状がほとんどない
レジン(白い樹脂)で補えるので、通院は1回で済む

『象牙質』(歯の主要部)まで細菌が達しており、しみたり痛んだりする
患部の大きさに合わせ『インレー』(詰め物)または『クラウン』(被せ物)で補うが、型取りして作製するので、通院は最低2回必要となる

『歯髄』(神経などの束)まで細菌が達しており、『歯髄炎』(激痛を伴う炎症)になっている
『根管治療』(歯髄を除去する治療)を行なうため、場合によって通院が10回以上必要になることがある

『歯冠』(歯肉の上に出ている目に見える部分)が崩壊して歯根だけが残るが、歯髄壊死の状態になっており痛みがない
クラウンで補うが、症状によって抜歯を行ない、入れ歯、ブリッジ、インプラントなどにする必要がある
※以上はあくまでも参考であり、症状や実際の治療法は記載内容と異なる場合があるので、ご了承ください。
虫歯は、症状が軽いうちに治療できれば、それほど負担にはなりません。口の中に少しでも違和感を覚えたら、すぐに受診することが大切です。
なお、お子様の場合、乳歯が柔らかく再石灰化の力が弱いので、虫歯になりやすいといえます。
そのため、お子様の歯磨き後に仕上げ磨きをするなど、口の状態は保護者の方が注視しなければなりません。
もしお子様の口の中の異変に気づいたら、すぐに受診し、将来健康な口で過ごせるよう導いてあげましょう。
※虫歯予防については【予防歯科】をご覧ください。
歯周病治療
歯周歯の原因
歯周病は、歯磨きが不十分だと、『歯周ポケット』(歯と歯肉の境目の溝)にプラーク(歯垢)や『歯石』(細菌が唾液に含まれるミネラル分と結合し、石のように硬くなった物質)が付着します。それらが生成する毒素によって歯肉が腫れたり、歯周ポケットが深くなっていきます。歯周ポケットの中は酸素が少なく、細菌が繁殖しやすい状態であるため、歯石を足掛かりとして奥深くへと繁殖していきます。
そして、歯肉が下がってきたり、徐々に歯槽骨が溶かされて歯がグラグラしてきて、最終的に歯が抜け落ちてしまうのです。
歯周歯の段階・治療法
歯周病の段階を表す場合、『P』というアルファベットを使用します。
これは英語で歯周病を意味する『Periodontitis』(ペリオドンティスト)の頭文字から取ったもので、進行度によって『P1』~『P4』の4段階で表すことができます。

歯肉が赤く腫れ、歯を磨くと出血することがある
『プラークコントロール』(プラークの増殖抑制)を行なう

歯を磨くたびに出血し、浮いた感じやむずがゆさなどの違和感を覚える
歯科医院で歯石除去を受け、プラークコントロールを行なう

歯肉が赤紫色に腫れ、口臭が酷くなる
歯科医院で『ルートプレーニング』(歯周ポケット奥深くの歯石などの除去)を受ける

歯間乳頭(歯と歯の間の歯肉)が下がって歯が長くなったように見え、歯がグラつく
歯科医院で『フラップ手術』(歯肉を歯槽骨から剥がして行なう歯石除去手術)を受ける
※以上はあくまでも参考であり、症状や実際の治療法は記載内容と異なる場合があるので、ご了承ください。
歯周病は、年齢や性別に関係なく誰でもなりやすい病気であり、自覚症状のないまま進行してしまうので、異変に気づいたときには手遅れになっているということもあります。そして重度の段階まで進んでしまうと、元の健康な歯には戻りません。
異変を感じなくても当クリニックにお越しいただき、検診を受けられることをお勧めします。
※歯周病予防については【予防歯科】をご覧ください。
入れ歯・ブリッジ
入れ歯
入れ歯とは
『入れ歯』とは、永久歯を失ってしまった場合にその部分を補うための装置の総称です。
歯をすべて失ったときに装着するものを『総入れ歯』といいます。
歯の部分はプラスチックやセラミックなどでできており、『床』(しょう)という歯肉の部分はプラスチックや金属でできています。
自分の歯が残っているときに装着するものを『部分入れ歯』といいます。
主としてばね(留め金)やアタッチメントで残りの歯に固定しますが、取り外すことができます。
入れ歯のメリット・デメリット
取り外して清掃できるので、衛生状態を保ちやすい
ほとんど歯を削らずに済み、短期間で治療が完了する
保険適用内の素材と方法であれば、低額で作製できる
完全には固定できず、咀嚼力(噛む力)が天然歯に劣り、噛み心地が悪い
完全には固定できず、話しにくい
留め金を掛ける歯に負担がかかり、その歯を傷める
口を開けると、留め金が見える
取り外して手入れする必要があり、手間がかかる
ブリッジ
ブリッジとは
『ブリッジ』とは、永久歯を失ってしまった場合にその部分を補うための装置で、その部分の両側に健康な歯がある場合に装着。
歯を失った場所することができますの両側の歯を削り、冠を被せて支柱とし、橋を渡すようにその間を人工歯で補うもので、取り外しはできません。床がないので天然歯に近い感覚を得られますが、両側の歯に負担がかかります。
ブリッジのメリット・デメリット
両隣の歯を支柱として固定するため、違和感なく噛める
両隣の歯を支柱として固定するため、違和感なく話せる
短期間で治療が完了する
保険適用内の素材(銀歯)を使用するのであれば、低額で作製できる
両隣の健康な歯を削って支柱とするので、その歯への負荷が大きく、寿命を縮めることになる
ブリッジと歯肉、歯との間は汚れを落としにくく、支柱となる歯が歯周病や虫歯になる可能性があるため、歯間ブラシなどを使用して清掃する必要がある
セラミックを使用すれば天然歯のような外見になるが、保険適用外の素材なので高額になる
入れ歯とブリッジでどちらにするか迷われる方も多いので、そのようなときはお気軽にご相談ください。ご自分に合うものを選択し、納得したうえで治療を受けることが大切です。
